観自在について

「観自在(kanjizai)」について

 月刊「観自在」は第三種郵便物の認可を受けて、毎月1日に発行されて
います。発行数は約1万2千部で、今年の2月で212号を迎えました。
標題の「観自在」は観自在菩薩さまから頂いた誌名です。

 観音(かんのん)さまといいますと、お地蔵さまや阿弥陀さま、お不動
さまなどと共に、古来日本で最も親しまれているみ仏さまです。
 観音さまは『観自在菩薩』また「観世音菩薩」といわれます。ふつうは
略して単に、観音さまとお呼びしお慕い申し上げています。
 皆さまもよくご存知の般若心経は「観自在菩薩行深般若…」で始まって
いますね。

 観音さまはそのほかにも、光世音、救世(くせ)観音、施無畏(せむい)
者、蓮華菩薩など、と美しい尊称で呼ばれることがあります。世間の苦を
よく救うことから救世観音といわれます。施無畏者とは、無畏を施す方、
つまり、慰めて安穏で畏(おそ)れのないことを与える、安心させる者、
勇気を与える者という意味で、観音さまのことを表します。

  観自在菩薩はすべてのものごとを観ずることが自由自在であるみ仏さま
という意味で、世の中のわたくしどもの苦しみ悩みのすべてをあるがまま
に観じられ、共にしてくだされ、お救いくださることを表します。

  観音さまには三十三現身(げんしん)といわれ、わたくしどもの求めに
応じられて三十三に身を変えて、わたくしどもを救ってくださいます。
 観音院では、ご本尊の観音さまは飛雲に乗り、距離を超え即座にご加護
くださることから「飛び観音」さまともいわれます。

 観自在菩薩さまは、自らだけが悟り涅槃(ねはん)に趣(おもむ)くと
いうことをされず、常にこの世の苦しみ悩む人々と共に在り、救済される
ご誓願(せいがん)をもっておられます。
 観音さまに救いを求めるその人のお力になられ、少しでも幸福な毎日が
送れますようにという尊いご誓願があります。観音院はそのご誓願のまま
に僧侶職員は皆さまのお力になりたいと念願しています。

 観音院は観音さまをおまつりする霊場として、約400年の歴史があり
ます。広島市西区観音町は観音院が発祥の地です。
 400年前から庶民のおまつりする小さな観音堂があり、朝に夕に家族
や親しい人への御加護をお祈りした、心優しい慎ましい生活がありました。
爾来、お参りされる皆さまの宗旨宗派は問わない、自由なお寺です。

 観音院は、ご縁があって観音院に集まる多くの人々の『広場』であり、
人々の苦しみ悩みを自らのものとして、人々を家族のように案じ合って、
共に励まし、皆さまとご一緒に生きてまいりたいと思います。

「いたわり、慈しみ、思いやり、相手の立場で考える」ことを大切にして、
お互いに扶け合い、前向きな人生を歩み、暖かい家庭と平和な社会を築き、
心の豊かさを生み出すことが観音院の願いです。



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