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観音院の職員になることは衝撃的 其の一

                     


阿多田から観音院に来て驚いた田舎者 
  カルチャーショックを実感できます


◆清潔と無菌状態は完全に違う
 食中毒を防ぐ日常の職員の心得◆
 観音院に信者の一人として参詣していたころは、何気
なく頂いていた「うどん」や「そーめん」など、裏方が
このような注意が払われているとは夢にも思わなかった
ことです。

■観音院の台所の規定■
 調理に関わる人は次のことに注意して下さい。
一、調理に関わる人はトイレの際にシャワレットを使っ
  て下さい。
  トイレットペーパーは10枚重ねて使っても手に大
  腸菌などが簡単に付着します。
  洗浄第一。
一、料理にあたり、清潔な着衣と徹底した手洗いを励行、
  爪の中までブラシで洗い流す心得で。
一、冷蔵庫や冷凍庫を過信しないこと、冷凍庫は日付を
  記入して入れ、早めに処分すること。
  扉のとってを開ける毎に消毒すること、食材や食器
  などは洗剤で洗い、良く洗い流すこと。
一、布巾は一度使用したら必ず熱湯または殺菌消毒をし
  て洗濯に回し二度と使用しないこと。布巾は毎日消
  毒洗濯をし乾燥機で乾かす。
  洗濯機の消毒を励行すること。
一、料理の際にマナ板、包丁などを薬品または熱湯で消
  毒すること。
  マナ板の傷、包丁の金属部分と握りの間の隙間は表
  面温度75度くらいでは駄目。
  殺菌を徹底して納得できるまですること。
一、料理は加熱する場合「内部まで完全に火が通った状
  態まで」確認し殺菌済みの食器に盛って差し出すこ
  と。料理の盛り付けは使い捨てビニ手を使用するこ
  と。
一、厨房(台所は業務用と心得て)は清潔に気を付けて
  常に清掃に心掛け、テーブルの上は使用しない時は
  何も置かないこと。
一、厨房に清潔が理解できない子供を入れてはならない。
一、食事の前に手洗いを励行する。

▼これは病院の厨房以上だと思って驚いたら、手拭いも
一度使用で洗濯される習慣で、毎日、布巾とタオルの洗
濯が山ほどあって、これはえらい処へ来たものだと驚く
前に圧倒された感じでした。
 法主さんに呼ばれて保健室に行くと千倍の顕微鏡があ
って、唾液を見せてもらうと、もうバイ菌がウヨウヨで、
何も言う気力が無く、無条件降伏です。
 「ウィルスは見えない、電子顕微鏡は買えないから」
と言われたことを印象深く覚えています。
 「寺で食中毒を起こしては参詣者に申し訳ない、万一
の場合のために食中毒保険は掛けてあるけれども、お金
で済む問題ではない。まあ時々顕微鏡を覗いて見なさい」
とは言われましたものの、観音院は皆さんの知らない所
に物凄い気配りがしてあると思いました。
 もっと驚いたことは台所に献立専用のパソコンがある
ことで、買い物は献立に従ってプリンターの打ち出した
紙で買い物に行けば忘れ物がありません。
 最初に与えられた物が専用のワープロで、キーボード
が叩けないと観音院では何もできないようになっている
のです。
 次に与えられた物が専用のカメラで、何かがあったら
写真を撮っておくよう言われたことです。
 観音院に来て、拭き掃除や台所の手伝いでもすれば置
いてもらえると信じていた私にとっては、常識で考えて
いた寺と、観音院の徹底した衛生管理理念の相違に、驚
く暇もなく自然に巻き込まれて行くことになりました。
 あっと言う間の七年間、観音院とは、そのようなとこ
ろです。
 阿多田の島の人も私の変わりようには驚かれたことと
思います。
 観音院には「庭の掃除でもさせてもらいたい」だから
寺に置いて欲しいと言う問い合わせがしばしばあります
が、観音院では一寸した工場くらいの発電設備とか、中
小企業の一流くらいの電算化(コンピュータで物事を処
理)がされていて、3年や4年は毎日が何かの発見で、
驚くことが一杯あります。庭に草は生えません。
 ですが、仕組みがとても簡単に出来ていて、素直であ
れば普通の人なら職員になれます。
 AUMのことが表面化した時に「これは困ったことに
なった」と住職さんが言われました。
 実は食品を冷蔵庫に入れる前にビニール袋に窒素ガス
と一緒に入れて、電磁波溶着機械で焼き付けて封入する
計画があったのです。
 寺が常識を超えた買い物をすると不審を持たれるかも
しれないと思われて中止になりました。
 観音院は運営が公開で、私に立ち入り禁止の場所はあ
りません。
 来客などが無い限り、どなたがどこに入られて困る場
所、立ち入り禁止の場所はありません。
 帳簿は誰でも見せてもらうことができます。私は経理
と言うものは全然知りませんでしたが、観音院に来て、
帳簿の見方を教えてもらい、評議員に任命され、運営に
参加発言させてもらえる立場にしてもらっています。
 ですから、観音院は犯罪に関わることは絶対に出来ま
せんし、公序良俗に反することは起きることが無いよう
になっています。
 法主さんも住職さんも権利とか権力は何ひとつもって
おられません。職員や評議員全員は法主さんや住職さん
の発言を訂正したり、観音院は信徒運営の寺であること
を説明する権限があります。
 運営は、例えば物品の購入とか、インターネットにホ
ームページを置くとか、何かの行事をするなどの決定は
常勤監事が責任役員や50名もの決議をえて執行します。
 実際には一々会議を招集することは出来ませんから、
監事3名が合議して、大体10名程度の役員の意見を聞い
て、全員が賛成であれば寺が前に進みます。
 法主さんの栄養管理は私に100%責任があります。
島嶼部に出掛けられる時は私に100%の責任がありま
す。何を言われても、何をなされても、もし過ちがあれ
ば、私は法主さんの発言を訂正し、適当でない行動は阻
止する権限を与えられて責任重大です。

※O−157の食中毒が出た時に私が考えたことは、煮
 え上がりのカレーライスかシチューライスなら絶対に
 大丈夫だと確信して、接待のメニューにしました。私
 は観音院の食品衛生管理者としての責任があります。
※防災用のヘルメットは阿多田島の保養所にも置いてい
 ます。法主さんは車の運転はされませんが、船舶の操
 縦は天才的で、毎日船に乗っている漁師さんの上を行
 くと思います。
 他船に迷惑を掛けない上品な操縦です。


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