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田川純照
◆縁起の良く始めましょう◆ 新春の一月五日は小寒、七日は七草、 二十日は大寒、日々明るくはなります が、二月の寒明けまでは寒さが厳しく なります。 初詣や書き初め、初夢、初荷など年 の始めを清々しい気持ちで、縁起良く 始めたいものです。 書き初めは、正月の二日に、吉方に向かって目出度い意味の字句 を書いたもので、吉書(きっしょ)とか筆始めともいわれます。 お正月にはお目出度い御供物をお供えし、祝儀の花々が生けられ ますが、松や竹、万年青や千両・万両は緑美しく、福寿草、寒菊や 水仙、室咲きの花々で心も豊かに華やかになります。 正月七日は七草ですが、新春の若菜を共に食し、お祝いすること で福運と安泰を祈願した習わしがあります。「祝う」ということは 古来、季節の節目に、自らの心身を慎んで、善い言葉をつかって、 吉事や善い将来をのべることをいいます。 御節(おせち)は正月や節句の御馳走に用いる煮しめ料理で、ご ぼう・蓮根・芋・人参・クワイ、勝ち栗・昆布巻き・照りごまめな ど、縁起良い食品を調理し煮たものが多くあります。 鏡開きの供え餅でおぜんざいを作って食すると無病息災といわれ、 十五日粥という習わしは一年中の疫気を払うために、正月十五日の 朝に食べる小豆粥をいいます。 ◆福運とともに新春の到来◆ 福運とは自らが縁起を良くして招くもので、言葉と態度を美しく し、「神佛の御おぼえ」を良くして巡らされるものです。 「宝船」の絵は、正月の初夢を見るために枕の下に敷いた縁起物 として有名でした。御宝、米俵や金銀宝石など宝貨を満載した帆掛 船に七福神を描いたもので、実に福々しい絵です。この絵は敷寝の 船ともいわれ、安らかに眠り、吉夢を見て、縁起を良くするための 古くからの習わしで、信心深い海洋国らしい招福絵ですね。 ◆新年に目標を立てましょう◆ 新年は心新たになる良い区切りですね。あなたは一年の目標をど のように立てられたでしょうか。 今年は寅年ですね。寅は威力のある動物で、張り子の寅など厄除 けや縁起物が作られます。 虎は強く、しかも「虎の子」と言われるように自分の子供を非常 に愛護することからでしょうか、昔から新生児の枕上に置いたりし て魔除けとしました。 同じ縁起物に「招き猫」がありますが、干支(えと)に猫は入っ ておらず、ネコ科は寅が代表格でしょうか。招き猫は「千客万来」 の吉像として福運や財宝、お客を招く縁起物と喜ばれます。 昨年は不祥事が多く、散々な一年でしたが、今年は倫理道徳心が 高められて少しずつ是正される年になってほしいものです。 「威(威厳)ありて猛(たけ)か からず」といわれる虎にあやかる一年としたいものです。 * 皆さまからのご投稿より * ■白川美昌さん〔広島県安芸郡〕 葉牡丹はしっかり雪を支えおり 電線の雪けちらして鳥止まり 雪冷えやネコと寝るなり川の字に ■すみれさん〔広島市安佐南区〕 坂の道銀杏落葉に会いたくて 冬霞なじみの店の穴子めし 緑有りて新年の顔輝やけり ■田中智華さん〔広島市佐伯区〕--短歌と俳句-- 穏やかに此の世を終えし夫の如 かくありたしと我れは思いぬ 急死せし祭壇の夫(つま)にう和なり ■鶴岡九晃さん〔広島市中区南千田〕 第一の電話孫からお目度う 善男(ぜんなん)と呼ばれる群に僕も居る お目度う初荷に母は便り添え ◆何か書いてみる、学んでみる◆ 皆さまも今年は何か始められては如何でしょうか。年齢を超えて いつくになられても知りたいと思う気持ちを大切に、知的な好奇心 を旺盛に、身近なことから、何でも勉学してみましょう。創造する 楽しみを大切に、前向きな気持ちで新年をお過ごしください。 何でも、知りたい、してみたいと思う気持ちで、ちょっと勇気を 出して、誰かに聞いてみることから始めましょう。 寺子屋教室では、パソコンやインターネット、ワープロ、俳句や 川柳、ケーキ教室、音楽愛好会もありますし、初歩から、皆さまの 進度で安心して練習できます。 日常生活で思ったことを居間や台所の机でノートに書きとめてみ る、俳句や川柳、随想らしきものがたまるにつけ楽しいものです。 習字でも葉書に描く絵でも良いし、是非とも皆さまも楽しんでみら れてください。
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