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月刊「観自在」
新年一月の歳時記 睦月(むつき)

               田川純照

縁起の良く始めましょう
 新春の一月五日は小寒、七日は七草、
二十日は大寒、日々明るくはなります
が、二月の寒明けまでは寒さが厳しく
なります。
 初詣や書き初め、初夢、初荷など年
の始めを清々しい気持ちで、縁起良く
始めたいものです。
 書き初めは、正月の二日に、吉方に向かって目出度い意味の字句
を書いたもので、吉書(きっしょ)とか筆始めともいわれます。
 お正月にはお目出度い御供物をお供えし、祝儀の花々が生けられ
ますが、松や竹、万年青や千両・万両は緑美しく、福寿草、寒菊や
水仙、室咲きの花々で心も豊かに華やかになります。

 正月七日は七草ですが、新春の若菜を共に食し、お祝いすること
で福運と安泰を祈願した習わしがあります。「祝う」ということは
古来、季節の節目に、自らの心身を慎んで、善い言葉をつかって、
吉事や善い将来をのべることをいいます。

 御節(おせち)は正月や節句の御馳走に用いる煮しめ料理で、ご
ぼう・蓮根・芋・人参・クワイ、勝ち栗・昆布巻き・照りごまめな
ど、縁起良い食品を調理し煮たものが多くあります。
 鏡開きの供え餅でおぜんざいを作って食すると無病息災といわれ、
十五日粥という習わしは一年中の疫気を払うために、正月十五日の
朝に食べる小豆粥をいいます。

福運とともに新春の到来
 福運とは自らが縁起を良くして招くもので、言葉と態度を美しく
し、「神佛の御おぼえ」を良くして巡らされるものです。
 「宝船」の絵は、正月の初夢を見るために枕の下に敷いた縁起物
として有名でした。御宝、米俵や金銀宝石など宝貨を満載した帆掛
船に七福神を描いたもので、実に福々しい絵です。この絵は敷寝の
船ともいわれ、安らかに眠り、吉夢を見て、縁起を良くするための
古くからの習わしで、信心深い海洋国らしい招福絵ですね。

新年に目標を立てましょう
 新年は心新たになる良い区切りですね。あなたは一年の目標をど
のように立てられたでしょうか。
 今年は寅年ですね。寅は威力のある動物で、張り子の寅など厄除
けや縁起物が作られます。
 虎は強く、しかも「虎の子」と言われるように自分の子供を非常
に愛護することからでしょうか、昔から新生児の枕上に置いたりし
て魔除けとしました。
 同じ縁起物に「招き猫」がありますが、干支(えと)に猫は入っ
ておらず、ネコ科は寅が代表格でしょうか。招き猫は「千客万来」
の吉像として福運や財宝、お客を招く縁起物と喜ばれます。
 昨年は不祥事が多く、散々な一年でしたが、今年は倫理道徳心が
高められて少しずつ是正される年になってほしいものです。
 「威(威厳)ありて猛(たけ)か
からず」といわれる虎にあやかる一年としたいものです。

  皆さまからのご投稿より 

白川美昌さん〔広島県安芸郡〕
    葉牡丹はしっかり雪を支えおり
    電線の雪けちらして鳥止まり
    雪冷えやネコと寝るなり川の字に

すみれさん〔広島市安佐南区〕
    坂の道銀杏落葉に会いたくて
    冬霞なじみの店の穴子めし
    緑有りて新年の顔輝やけり

田中智華さん〔広島市佐伯区〕--短歌と俳句--
  穏やかに此の世を終えし夫の如
          かくありたしと我れは思いぬ
  急死せし祭壇の夫(つま)にう和なり

鶴岡九晃さん〔広島市中区南千田〕
    第一の電話孫からお目度う
    善男(ぜんなん)と呼ばれる群に僕も居る
    お目度う初荷に母は便り添え

何か書いてみる、学んでみる
 皆さまも今年は何か始められては如何でしょうか。年齢を超えて
いつくになられても知りたいと思う気持ちを大切に、知的な好奇心
を旺盛に、身近なことから、何でも勉学してみましょう。創造する
楽しみを大切に、前向きな気持ちで新年をお過ごしください。
 何でも、知りたい、してみたいと思う気持ちで、ちょっと勇気を
出して、誰かに聞いてみることから始めましょう。

 寺子屋教室では、パソコンやインターネット、ワープロ、俳句や
川柳、ケーキ教室、音楽愛好会もありますし、初歩から、皆さまの
進度で安心して練習できます。
 日常生活で思ったことを居間や台所の机でノートに書きとめてみ
る、俳句や川柳、随想らしきものがたまるにつけ楽しいものです。
習字でも葉書に描く絵でも良いし、是非とも皆さまも楽しんでみら
れてください。

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