◆明るい春の気配を感じて
二月の雅名の如月は「生更ぎ」と書かれ、草木が生き更(か)える早春月の意味があるそうですが、まだ寒さが厳しいので「衣更着」という当て 字もあります。
節分招福、立春大吉。早春は春めいて来て、明るさと希望と元気を含んで、すぐ側に来ています。春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)という熟語が ありますが、春風がのどかに吹くさまを表します。人の性格や態度が陽気でのんびりしているさまもいいます。
◆寒きに早春の清々しさ
通勤や散歩のいつもの道の木々にもなにか変化のある早春です。
早春の陽ざしは日増しに明るくなり、草木の蕾も柔らかくなり、もう紅に色づいて膨らみ、葉芽も柔らかくなり、春の訪れを感じられる頃となり ました。
今も昔も、春の兆しは、何よりも心
楽しきことですね。厳しい冬も心の中
に、美しい春が近いのを思い描いたら
耐えられるものです。
二月の節分過ぎればいよいよ春の訪
れです。野山に明るさが増し、善き前
兆のしるしが感じられます。
緑あふるる大地を予感できます。
皆さまと共に、今年の善き目標を立てて、み佛さまのご加護とお力添えを
お願いしましょう。
◆経読鳥の美しいさえずり
鶯の初音ももう聞こえます。鶯〔ウグイス〕はスズメ目の鳥で、羽根は上品な緑系の鶯色、大きさはスズメぐらい、春先になると観音院の近くで も運が良いと見つけられることがあります。
鴬は春告鳥といわれ姿は可愛らしく、華麗で清々しい囀(さえず)りは人の心驚かして、早春の通り行くお知らせのようです。
人々に好まれた鳥で、「梅に鶯」は非常に取り合わせの良いことの譬えとされますが、美しく画になりますね。鶯は異名が沢山有って、歌詠鳥や 経読鳥というのは面白い名付けです。匂鳥や人来鳥、百千鳥などという名もあります。
◆早春の清新で華やかな梅の香
梅はバラ科で、上品な香の高い花のひとつです。
いまだ寒い二月、通りすがりの道を見上げて梅の花があれば嬉しくなりますね。室内に梅一枝でもあれば、優しい香が漂い、春のさきがけを知ら せてくれます。
み佛さまにお供えされるお香や美しい花の香に、み佛さまは喜んで下さり、人々の心も落ちつていとても優しくしてくれます。
◆二月は節分立春星祭
一月は元気法要で、楽しく和気あいあい、お参りの皆さまが法主さまや院主さまの元気法話に唱和されました。二月も気迫を込めて皆さまの祈願 供養が拝まれています。暖かくしてお参り下さい。
◆寒明けて早春、春浅し、です。
寒さのぶり返しを、冴返るというそうで清新で冷気の冴々したようすが感じられる言葉です。
春寒、余寒、なお厳しく、皆さま、ご養生いただきますように。 余寒続く早春の二月に、梅は百花にさきがけて開き、花の兄といわれま す。マンサクの花は素朴な黄色の細い花弁ですが、豊年満作の意を含んでいるとも、万花にさきがけて「先ず咲く」がなまったとも言われる招福花です。
蕗の薹(とう)も枯れ葉の山野に微笑むかのように春を告げ、春らしい妙なる花を現します。
野外は梅の花が見られ、花屋さんでは水仙やスイトピー、フリージア、蘭も優美に香を漂わせ、春らしさを感じさせます。お参りの皆さまの供花 にも美しく春の風情が添えられています。
◆皆さまからの投稿の紹介◆
▼山口ツキミさん〔阿多田〕
御先祖を敬う心の集まりが
浄めた墓地の美しさ
(昨年の暮に長寿会でお墓掃除をしま
して感想を短歌にしたためました。)
秋空に山の錦は映えわたり
初雪に菊花ふるえていとおしく
(身の廻りで感じた事を、
俳句に詠んでみました。)
▼斉藤智美さん〔富山市 小学五年〕
春の雪風に吹かれて消えにけり
▼斉藤高行さん〔富山市 小学三年〕
ひょっこり緑のかおだすふきのとう
▼白川美昌さん〔広島県安芸郡〕
鶯や薮のなかより春告げる
鶯の声凍りけり春の雪
梅の香に誘われて行く小道かな
▼すみれさん〔安佐南区沼田〕
初景色平和の鳩も元気なり
風邪に寝て粥運び来る嫁静か
▼鶴岡九晃さん〔中区東千田〕
海の幸浜いっぱいに春を告げ
暖かさ鬼にも豆をお福分け
今年もバレンタインを夢にする