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97年11月の運勢と処世概観(10/3掲載)
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  四苦八苦は当たり前と思えば

            少しでも良いことがあれば喜び

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                      鈴之僧正

毎日をどのような気持ちで過ごすかに因(よ)って、吉凶交錯。
気分次第で楽しく生きれれば、これに越したことは無い。

 私の人生に多少の影響を与えた俳人は、句会の行われている隣室
で、10月11日の未明に逝(い)った、58歳だったそうだ。
 高校時代は、この俳人種田山頭火に憧れたものだ。黒染めの衣に
袈裟がけで、一笠一鉢行乞流転の旅「おちついて死ねそうな草枯るる」
は高校生にはきつい句である。

 それから弘法大師さまの伝説が私の今までを支配した。52歳で
引退し、62歳を過ぎて自己の至らざりしを知り、もう65歳か、
当分死にそうもないし、さりとて、後何年生きるやら、物事や人間
には執着がなくなった。煩悩とも縁が切れた。皆で勝手にして下さ
れと思って一日一日が過ぎて行く。

何のため、何をして生きているかと問われても、答えようがない。
辛いかと聞かれれば、そのようなことは何も無い。不安も無い。
楽しみは、ある。何が楽しいかと聞かれれば、皆さんが微笑んでお
られるのを見るのが楽しい。他に無い。

生まれて来て、大病で死にかけ、年老いて、やがて死ぬ。
愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふ
とっく)・五陰盛苦(ごおんじょうく)もあった。それは当然で、これ
から先も受動的に降りかかるだろう。その時その時になるべく平然
と親しむ。

要するに苦しみは何もなくなった。残されたのは微笑みだけだ。
家族のことや子供のこと、知人やお世話になった方々、なるべく苦
しみに沈まないように、と言うくらいしかない。

世の中は捨てたものでもない。十分に楽しみなさい。ご修行なさ
い。なるべく失敗をなさらないように、挫折されないように願って
います。真面目にです。
で、他の事は私は知らない。
厄介なことや難しいことは関わりたく無い。それは当然でしょう。
まあ・・ね。出来ることはして上げます、出来ないことは出来ない。
無責任ではありません、大切に考えて、一生懸命に拝み、真面目
に祈ります。

後は御佛(みほとけ)様と皆さんの「ご縁」次第です。
災難は人を選ばす、貧富を問わず、年齢性別を問わず、時と場所
を選ばず降りかかります。なるべく世の中は平和で静謐(せいひつ)
な方が望ましい。経済のことは誰にも分からない。巻き添えを食っ
たら右往左往すること。

この世に御佛様の慈悲があることを証明し、自然の恩寵(おんちょ
う)を有り難く思い、倫理観を高く、小欲知足(しょうよくちそく)で、
相手の立場で考えながら大吉で生きようよ。

大吉の人生が良い。そのためには四苦八苦から解脱(げだつ)した
方が良いと言っているの。これは難しく考えると大変なことになる
から、何もかも有り難いと考えて受け止めると良いでしょう。
善意に受け取ると安心して住む場所と、なすべきことが与えられま
す。善意に勝る悪意なんて、有ると思っただけで終り。

私(法主)の考え方を、自分の都合の良いように安易に解釈しない
ことが肝要です。言われる通りにして騙(だま)されて、愚痴を言う
ようでは、小利口な才覚で生きた方が良いですよ。皆さんが私のよ
うな考え方になると、世間が大変です。

今日のことは今日の内に済ませて置こう、明日生きているかどう
か分からないから−。生きているかも知れないので、明日のことも
少しは今日の内にやって置こう。2010年のことも少し考えて置きま
しょう。


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