法主さまの運勢と処世概観、皆さまのことをいつも案じておられます。
ご一緒に、前向きな考え方で、慎重に生きてまいりましょう。


98年3月の運勢と処世概観(98.2/23掲載)
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  一月はいぬる、二月は逃げる
      三月は去るとは慌ただしいこと

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         観音院法主 鈴之僧正(すずのそうじょう)

 月日の経つのは早いもので、もう三月。この月は一年の総決算で
泣き笑いが見られる。
 努力した者、運が良い者、怠惰(たいだ)であった者、不運であっ
た者。涙を流す人には同情し、笑顔の人には声援を送る。
私は多くの人と交際があり、三月はどちらかと言えば辛い月です。

 金融機関の貸し渋りは酷いもので、永年の付き合いで一度の不義
理をしたことの無い企業が突然に資金を引き上げられて、対策に頭
を痛めている人が多い。
 止む得ず他の金融機関に取引きを依頼したところ、十分の一では
あるが面倒を見てくれた例を身近に見た。

 際限も無く安くなるように心配された円はどうやら125円前後
で動いているが、この冊子が皆さんのお手元に届いているころには
どのようになっているか心配にたえない。株も一万七千円前後だが、
これも見当がつかない。
 政策の失敗だと、政府を恨んでみても仕方がない。どうやら、
アメリカの一人勝ちみたいな感じがしないでもないが、このような
やっかみを言うのは厭なことだが現実だ。

 世の中が悪いと無理な相談が増えるが、常識で考えて貰えば理解
出来ることだが一人の僧侶に何ができようか、信徒さん十万人とい
う数は多過ぎる。寺も世間と正比例する。

 だが希望は捨てていない。なるようにしかならないことは、どな
たよりも明確に知っているが、波風のままに翻弄されて行くことは
出来ない。常識で言えば「入るを計り、出るを制する」ことになる
が、寺は入るを計ることは出来ない。
 最大限の節約をして剰余金無しで赤字も出なくて決算は出来そう
だ。五月号で決算を報告させて頂きます。

 この上は大きな天災が起きないことを強く願って日々を過ごして
いる。
 災難は善人悪人平等に降りかかり、歳月が経てばやがて人は死ぬ。
形あるものは、何時かは崩れる。しかし、どんな酷しい冬でも時が
来れば春になる。何となく春らしき匂いもしていて、多少は希望が
もてそうだ。
 世の中が悪い時は、本来善人であった筈の人も魔が差したように
悪事を働くことがある。人は信用出来るが、「魔」は信用出来ない。
 このようなご時世に、人の本性を観察する勉強が出来るだろう。
何時の時代でも妙なことは有る。確実に言えることは百年昔の日本
よりは現在の日本の方が大分良くなっている。
 困ったことがあったら、本当は困る前に、悩む前に相談に来ても
らえれば力になれると思う。

*3月の判断は、難しい。会う人毎に分析が分かれ、著しく吉凶が
交錯している。全体的な感じでは僅かに良くなりつあるように感じ
ている。
 ただ金融のビッグバンや規制の廃止などによって、今までに経験
したことが無い事態を迎えるので、誤った対応をすると破綻する。
ところで、何が正しい判断かそれが分かり難い。

*どのような時代になっても人間関係は極めて重要である。裏切れ
ば恨まれる。優し過ぎれば付け込まれる。程々のところの見極めが
とても困難で、鬼神(きしん)も袖で顔を覆(おお)いたいような嘘や
虚構や詐欺(さぎ)すれすれが罷(まか)り通っている。

*難しく考えると難しくなる。平易に考えると、答えも簡単に出て
来る。苦労だと思えば苦しいし、「何だ、こんなもの」と思えば、
それくらいの事が多い。取り越し苦労は止める事、さりとて細心の
注意も必要、矛盾。


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