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月刊「観自在」

 観音院の法主さんの日常 (97/10)

                          

   心の動きを表現することが大切です
          感情を共有出来ると良い人間関係に


   何を考えているか分からないのは損です
          喜びや悲しみを表情に出せる心掛けを

 口は災いの元、沈黙は金。それとは異なる無表情、挨拶すら出来ない人
が増えました。他人と迂闊(うかつ)に話をすると誘拐されかねない世の
中ですが、目と目を合わせて、話が出来ない人も増えました。何かをして
もらっても気が付かない、適切に礼が言えない人。美しい景色に感動出来
ない人、美味しい料理に「美味しい」と言えない沈黙のお客が増えたと、
料理人が嘆いておられます。味知らず、景色知らず、人間知らず、礼知ら
ず、感謝知らずで、この世が渡れるでしょうか。


   誠心誠意作った料理も何のその・・・
        沈黙で下を向いて食べられたら

■これは料理したお母さんにしても奥さんにしても、がっかりされること
でしょう。このような関係は、もう親子関係とか夫婦関係は無くなってい
ると考えるべきでしょう。

 終わって無いとすれば、よほど料理が下手なのでしょう。これが他人な
らば、下手なまずい料理を出した人は、お詫びが必要です。
 他人なら二度と一緒に食事をしなければ済むことです。運が悪いと人間
関係の断絶になります。
 お食事に誘われて、会食の場合ですよ、一人だけ高声で話したり、一人
だけ「我関せず」と一心不乱に食事をしてサヨウナラでは、二度と会食に
は誘ってもらえません。大統領と大統領の会食でこのようなことが起きる
と国交断絶ですね。

■旅行もそうですね。「美しい」とか「絶景」とか、記念写真を一緒に撮
るとか、共通する表現や行動がある筈です。
 高級料亭で「うわぁ美味い」と、素っ頓狂な声を出しても大丈夫です。
美味しい食べ物に感動し、美しい景色に「あっと」驚くことは礼儀以前の
感性の問題です。

 目線は難しいものです。目は口ほどにものを言いと諺にありますように、
その人の心を表します。
 目線の使い方は、相手の話を一生懸命に聞く、関心があるものを良く見
る、それだけのことです。
 流し目やウインクは誤解されますから止めた方が無難です。
 目配りは大切なことで、これは声に出さない配慮です。


・「目から火が出る」顔や頭を強く打った時の感じの形容。
・「目から鼻へ抜ける」すぐれて賢いこと、また、ぬけ目がなく、敏捷なこ
  との形容。
・「目から鱗が落ちる」あることをきっかけとして、急にものごとの真相や
  本質が分るようになる。
・「目が飛び出る」代価がむやみに高く、ひどく驚く。
  激しく叱られたときの形容。
・「目が回る」目がくらむ。非常に忙しい。「雑務に追われて目が回る」
 「目が覚める」眠りからさめる。迷いが解けて正道に戻る。
・「目が光る」不正やあやまちを見逃さない。監視がきびしい。
・「目が行く」気に入る。
・「目が高い」鑑識眼が優れている。
・「目が合う」互いに視線が合う。「目が散る」興味を引かれるものが
  いろいろあって、心が落ちつかず、まなざしが一定しない。
・「目が据わる」怒ったり酒に酔ったりして、じっと一点を見つめる。

■いろいろと目についての言葉がありますが、一番困るのが、目が散る人
です。興味を引かれるものが無くて、胡乱(うろん)な目付きで「目が散
る」人です。
 目付きは品性を表すこともありますので使い方が大変です。
 目の玉ひんむいで、どんでんかえったら救急車です。身内の方の焦点が
定まらないようでしたら医師の診断を受けることが大切です。
 私は医師ではありませんので良く分かりませんが、診断される際に瞳孔
を懐中電灯で見られる場合もあります。

 目をきょろきょろさせますと、落ち着きが無いと思われます。目の使い
方は難しいと思いますが、観音経にありますように「慈眼で視ること」が
大切だと思います。
 目の使い方は慈眼だと申しましたが、言葉も優しい方が望ましいことで
す。乱暴な言葉を使えば喧嘩になります。名誉を棄損することにもなりま
す。他人を罵ったりしては最悪になります。


   あたたかい心が基本です
          感謝と優しい心が大切です

■あたたかい心は外に向かえば笑顔になり、優しい言葉になり、美しい目
になります。
 感謝の気持ちは「有り難い」と思うことが中心にあります。
 これは実は大変なことだと法主(ほっす)さんに教わりました。この世
に生命をうけるに当たり「人間」として生まれたことが有り難い、御佛様
(みほとけさま)の教えに遇うことが有り難い、あたたかい心とか感謝の
気持ちは人である表現が必要です。

■犬や猫でも子供を育てる時には、ある意味では人間以上に可愛がり保護
します。可愛がれば犬も尾を振り、猫も喉をならします。
 有り難いと言うことは、人間に生まれて来て、犬や猫以上の表現が出来
る。尻尾を振ることや、喉をならせるより、もっと高度な相互扶助関係を
築ける。複雑な心情も伝達出来る、通信の手段ももっている。書物や絵画
も残せる、学べる・・・・・。
 筈なのです。同時に黙殺することも出来るし、不服従の態度も、反抗も
戦争も、喧嘩も離婚も転職も出来る。文化が持てるのは人間だけですし、
遺産も残せる。怨みや羨望、復讐、仇討ちもあるようです。裏切りとか、
詐欺とか恐喝など、それを防ぐ刑法がある。

 人間は犬や猫より豊かな精神活動が出来ますが、飼い犬に手を噛まれる
と言うようなこともあるので厄介なことです。
 損得の表し方が複雑過ぎて、人として生かされていることを「有り難く」
感じていないことから、物を粗末にするに止まらず、自分を粗末にする、
周囲の人を粗末にする傾向もままあります。
 「良い言葉と良い態度は、良き将来に繋(つな)がる」と言われる法主
さんの言葉を噛みしめて、幸せになられることをお祈りします。

※気配りと目配りは大切です。相手や周囲の人の立場になって考えて見る
 ことです。これが出来ないと薄情な人とか鈍感な人として疎外されるこ
 とがあります。
・与えられている環境や待遇を当たり前と思って感謝の心を忘れると疎ま
 れます。有り難いと言う気持ちと世間の厳しさを噛みしめて現在を大切
 にしましょう。

※良い職場、良い家庭は一言で言えば「ぬるま湯」です。そこで長風呂を
 して不平不満を感じるなら、何処かの熱湯風呂にでも入ってみることで
 す。挨拶は丁寧にとまでは言いません。小学校で習ったことを実行しま
 しょう。

※良い言葉と良い態度は「有り難い」と気付くことから始まり、感謝の気
 持ちになった時に目が優しくなり、焦点も定まります。そこから良い未
 来となすべき仕事が定まります。安心して住める家庭が生まれます。
・鶏と卵の話ではありません。貴方自身の問題ですから、先ずは貴方から
 行動を起こすことが必要です。

※公序良俗に反しないことを好きになることが大切です。ものごとは好き
 になれば上達します。厭(いや)なことを仕方なくやるのは人生の浪費
 です。仕方なく物事をすると被害妄想が起きます。人間不信になります。
 どちらを選ぶかは貴方次第。

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