如　是　我　聞　
　　　　　　　　　　文責　能島慶華　(観自在97.7月号）

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　　皆さん、よくやり遂げられましたねと
　　　お慶びを申し上げたい今日このごろです
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　あっという間の十六年、回顧すれば喜びも悲しみも・・・と申し上げた
いのですが、一日のような感じです。もう昔のことは、すっかり忘れてし
まいました。振り返って過去を思い出す時間がないのかもしれません。で
すが、ほっとすると、あの方にも、この方にも親切にしていただいた、そ
のような感謝の気持ちが次々と涌いてきて、嬉し涙が滲んでまいります。
あっと言う間の大般若転読百座法要を迎えるにあたり、皆さまにお慶びを
申し上げ心からの感謝のご挨拶とします。

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　　　七月六日の七夕厄除け招福夏祭
　　　　　　　　ご家族お揃いでご参詣下さい
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■観音院に参詣するようになって鈴之僧正さまに救われて、そのまま寺に
居させてもらって、得度剃髪して加行させてもらって、とても大きな佛縁
に恵まれました。
　足掛け十七年、お佛飯をいただいて、御佛様の近くで暮らさせていただ
いて感謝の気持ちで一杯でございます。
　私の感謝の気持ち、有り難いと思う心が適切に表現できません。
　多くの方の手術の説明に同席しました。病院にも見舞いに行かせてもら
いました。回復されて退院されて社会復帰された方、また真に残念ですが、
帰らぬ人となられた方もあります。
　喜びや悲しみを一緒にしました。法主（ほっす）さまには逐一報告し、
法主さまも喜びや悲しみを一緒にされています。

　可愛がって下さる方、親密な交際をして下さる方、私の生活や寺の運営
を心配して下さる方、食事に招待して下さる方、言葉で表現できないほど
沢山の方々と知り合いになれました。
　一番困惑しましたのは、縁談を持ち込まれることです。独身主義者でも
ありません、男性を嫌悪しているわけでもありません。ですが沢山の方々
の頼りにされますと、結婚して家庭をもって、子供を産んで育てることは
不可能です。

　剃髪は観音院では男女を問わず強制されていません。ですが、頭を剃る
ことによって、これらの問題から、距離を置くことを明確に意思表示した
いと思いました。
　それほど思い詰めた訳でもありません、御佛様に仕える女性、尼僧とい
う立場を形で示したいの願いました。
　私の場合は家族がいません。ですから、周囲に反対する者がいなかった
だけです。これは、田川さんや春木さんも恐らく同じだろうと思うのです
が、家族の同意がないと剃髪は許可されません。というより、家族がいる
と剃髪を許可してもらえません。

　頭を剃ったからといって尼僧になれる仕組みにはなっていません、心の
持ち方と日常生活が尼僧として相応しいかどうかが問われます。
　頭は毎日、剃ります。剃る都度、今日は一日尼僧としてどのように過ご
したか自問自答します。

　剃髪する際に、一分くらいに伸びると見苦しい、毎日剃れるかと法主さ
まから念を押されました。　法主さまも住職さまも、何時も綺麗に剃って
おられるでしょう。本当は五日に一度くらい剃ればよいのだそうですが、
観音院の剃髪した僧侶・尼僧はお洒落なのです。
　ですから、剃髪している、有髪であることで僧侶の値打ちが決まるもの
ではありません。
　何時、髪を伸ばしてもよいと、法主さまから言われてます。でも剃髪は
尼僧として楽な生き方です。
　よく剃髪の理由を聞かれますがもっと気楽に考えて下さい。

　私が寺に馴染み始めたころに、しばしば法主さまから言われたことは
「相手の立場で考えて上げること、情を同じくすること」でした。ところ
が、これは大変な努力が必要で、その後、色々な宗教関係者とお会いしま
したが、これだけのことが中々守られていません。
　サリンなどの事件は、宗教界には大変に迷惑なことでした。もしあの教
団の教祖が「相手の立場で考える」人であったら、あのような事件は絶対
に起きなかったと確信します。

　観音院は開放的で最近地元高校の生徒さんがホームページを作るとかで
再三遊びに来られます。
　ご父兄がお礼に来られましたが、何方（どなた）でも安心して出入りで
きる寺でありたいと願います。

　観音院の「七夕厄除け招福夏祭」も、家族的な法要で、皆さまも、宗旨
宗派を問わず参詣されることができます。
　七夕祭に皆さまに差し上げる「カード型」のお守りは、私（能島）がデ
ザインしました。お守りの帯をする代わりにパウチして財布にも入れられ
携帯が簡便に工夫してあります。
　パウチまでは精密な根気のいる作業で律華（りつか）さんが作業されま
した。これから多用途のお守りが制作できると思います。
　これはマッキントッシュのパソコンでイラストレーターというソフトを
使用し、ゼロックスＡ３版Ａカラーで制作しました。
　これは自慢したくて話したことではありません、普通の女性が観音院で
は、このような技術を身に付けさせてもらえる環境があることを説明した
かったのです。
　車でいえばベンツのようなパソコン、実際にベンツが買えるほどの支出
を伴うものです。
　観音院の職員は勉強できる機会が多く、職員全員が小型船舶操縦一級の
免状をもっています。田川さんは海上無線の資格を取らせてもらいました。
資格を取るには時間と費用が必要でなかなか簡単には取れません。

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　　　　何故に資格が必要なのか
　　　　　　皆さまに親切に対応するため
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　住職さんの奥さんが保健所へ食品衛生責任者の資格を取りに講習に行か
れました。
　お接待をするために大量の食品を調理します。食中毒保険は掛けてあり
ますが、保険金で補償されれば済む問題ではありません。
　食中毒を絶対に出さない職員教育が大切なのです。ですから厨房規定も
あります。ボランティアの方々も衛生規則を守ってもらえないと、台所は
手伝えません。
　もうすぐ、海の教室が始まりますが、泳げるから、面倒だから、救命胴
衣は身に付けない方はお連れできない事情をご理解下さい。
　尼僧は独立して存在できず、皆さんと御佛様の中間にいて、媒介者とし
ての役目をもっています。

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　　　善意に勝てる悪意は無いと固く信じています
　　　　　  それでも挫けそうになることがあります
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■観音院には「癌封じ」という祈願があります。厄年に「厄除け」と合わ
せて祈願を申し込まれる方が沢山おられます。
　ところで、体具合が悪くて、医師に癌だと告知されて「癌封じ」の祈願
に来られる方も少なくありません。
　手術の結果良性の腫瘍だったということも少なくありません。その時に、
お医者さまが「貴方は神仏でも信仰しておられるのか」などと言われると
大変です。
　その病院から次から次と祈願に来られます。当然に良性の方もあるし、
末期で手の尽くしようも無い方もおられます。
　そこまでなら未だしも、お医者さまも沢山「癌封じ」に来られます。そ
して色々な困難が生じます。
　最近は医学の診断が進歩したのでしょうか、早期発見、早期手術が多く
て治癒率が高いのかもしれません。にも関わらず、癌だと告知されて恐怖
のあまり「溺れる者は藁をも掴む」ような心境で祈願に参詣される。
　熱心に拝む法要に会って「御佛様に守護されている気持ちになる」
ことが、その精神状態が絶妙な人間の免疫機能にはたらいて何らかの回復
状態に向かう。
　医師の誤診、医療の進歩、など、単純に医療上の問題で宗教など関与す
る筋合いのものではない。
　ですが、お礼参りが多い現実から、精神的に大きな働きがある、御佛様
の守護もあると私は思っています。

　観音院には多くの有名スポーツ選手が参詣されます。勝てるような気が
してきた。実際に根性も付いてきた。ご守護があったと思えることもある
から友人も連れてきたといわれる方が沢山おられます。

　合法格物致知山・永徳寺・観音院という寺名を略して「合格山」だから
と「合格祈願」に熱心に参詣される方もとても多く、お年寄りがお孫さん
のため、ご両親が子供さんのために参詣される場合は大変なというくらい
多く参詣なされているようです。
　で、受験者のある方が、前の晩に読んだ父親の蔵書の内容が試験に出て、
大変にラッキーだった。
　法主さまも夏目漱石の夢十夜というページを読んで、翌日の試験にそれ
に関する問題が出て、とても気持ちが楽に試験が受けられたという話を聞
いておりますので、偶然にしては有り難い話もあるものだと承っています。
　観音院の寺報であるこの「観自在」も、しばしば試験に役立っていると
お礼を言われます。
　入社試験で「観自在」に書いてあったことを思い出して面接で答えたら
大変に誉められたというような話はとても嬉しくなります。
　ですが、萬倍（まんばい）様に祈願して宝くじに当たった、競艇で勝っ
たというような話は困ります。
　法主さまは賭け事が嫌いなのです。私は法主さまに随行してアメリカへ
出張した際に、ラスベガスで二ドルのコイン６枚をもらってスロットルマ
シンでゴールドセブンが出て、大変な騒ぎになりました。その時に法主さ
まから「全額国連に寄付するよう」いわれてそのようにしました。
　このようなことを法主さまは災難のように受け止めておられます。

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　　　　　不老不死が拝み込んである
　　　　　　　　死ねないから気を付けて食べる
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　これは物凄いジョークです。大般若転読法要の接待に「もみじ饅頭」が
用意されました。「今日は不老不死が拝み込んである饅頭を接待します」
といわれたことがあります。大爆笑でした。
　食べたら最後「いつまでも老いもせず死ぬこともない」そのようなこと
は誰も叶えられぬ祈願ですし、願ってはならないことです。

　日切（ひぎり）地蔵さんの「お水」は眼病、諸病に効くと多くの信仰を
集めています。あれはただの水道水、何も薬物は混ぜてありません。眼病
に効能がある根拠は全くありません。
　その上、最近では疣が取れると評判です。法主さまは大変に困惑してお
られます。その上十円禿げに効くともいわれます。
　疣（いぼ）は思い当たることもないのにできたり、無くなったりするこ
とがあるそうです。
　伝染性のウイルスによるものもあるそうですから注意して下さい。
　ストレスが原因で十円硬貨大の禿げができることがあるそうですが、日
切地蔵様にお願いすることで効果があるかもしれませんが、お医者さまに
受診を勧めます。
　眼病には絶対にお勧めできません。医師の適切な治療を受けていただき
たいと願います。

　良縁成就のご祈願は二つの約束があります。
　良い縁談は纏（まと）まる。良くない縁談は壊れる。でも到底困難だと
常識では思えるような縁談が纏まり、子供さんにも恵まれ、名付けを頼ま
れる、これは嬉しいことです。
　縁切り祈願は難しい祈願です。ご本人が縁切りを願われる祈願は比較的
容易に達成されます。親兄弟が身内の人間の関係を壊されたい時に、中々
思うようにはならないことを経験上知っています。

　法主さまは名付けの名人、綽名（あだな）が付き難い、呼び捨てにされ
ない、外国に行った時に変な意味にならない、字のもつ意味が良い、子供
が書く時に間違えない、選挙に立てば通り易い、人に覚えられやすい、結
婚して名字が変わっても相性が良い、字画などとか、俗にいう姓名学とは
一格上の名付けの相談に乗ってもらえます。その上、判子の名人です。
　法主さまが判子の名人といわれるには、実利があります。普通印鑑屋で
依頼する判子の縁（ふち）の五割増しの丈夫さで彫られていること、間違
い字が無いことです。

　親切にする、親切は人を育てると、法主さまはいわれます。
　私は「親切にすることで他人を育てることができる」と受け止めていま
したが、これは浅薄な解釈でした。
　親切は確かに他人を大事にすることであり、良き人間関係を育てます。
ですが、期待しないで親切にするという大前提があります。
　迂闊（うかつ）に受け止めると「これほど親切にしてあげたのに」と、
愚痴がでます。心の中でどこかに反対給付を期待しているのかもわかりま
せん。
　親切は他人のためではありません、自分のためです。このような簡単な
ことも、本当の意味がわかるのには十年もの歳月が必要です。
　親切の限界と、親切の責任を知ることの修行、これから先も末永く皆さ
まのご指導とご鞭撻をお願いします。
　七夕にはご家族お揃いでご参詣下さい。

※女性が剃髪することと、尼僧になることは別の次元のことです。
剃髪すると一応は尼僧の姿になります。私の場合は「なんだか、こ
の世のいろいろな事とさっぱりと吹っ切れたような気持ちで毎日が
過ごせます」。

※親切には慎重な準備と温かい心と責任を自覚する必要ガあります。
私たちには出来ることと出来ないことがあります。その点を自覚し
て、出来ることは一生懸命に努めさせていただく。そのように思っ
て努力します。

※無欲な気持ちになると「運」が良くなるようです。無欲と言いま
すのは「御佛（みほとけ）様のお心のままに生きさせてもらう、お
任せする」そのような心境です。「生かされている、ありのままに
生きる」ことが大切に思います。

※七夕厄除け招福夏祭には、ご家族お揃いで参詣下さい。皆さまが
暑い夏を無事の乗り切って下さるように熱心に祈願します。五色の
短冊の願い事を書いて、願望が成就されるように大般若転読法要で
ご祈願いたします。