如 是 我 聞 
          文責 能島慶華 (観自在97.8月号(1)

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    8月3日は大般若転読百三座法要を執行
       二百座までは生きておりたい法主さま
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 百座法要(97.7/6執行)は大変な盛況でした。本堂も座敷も満員ぎっしり で、境内に参詣者が溢れ、用意した供物も予想の五割増しでしたが、これ は不思議なように全てお持ち帰りいただきました。  一年に、毎年正月の元日と毎月第一日曜日に、七月は一日三座、毎年十 五座の大般若転読法要を執行することになるから、無事であれば、後六年 と八ケ月で二百座法要が執行できます。2004年になります。できれば、 それまで生きておりたい、そのようなことを法主さんは言われています。      欲しいものは無いが一つの執着           今すこし生きて見てみたい ■法主さんは人生の目標がありました。一生懸命に御佛(みほとけ)様に 仕(つか)えて皆さまのお役に立ち、六十二歳までは生きる努力をしたい。  と、申しますのは、お大師さま(弘法大師空海)の入定(にゅうじょう) された年齢が六十二歳だからです。  人生については、相当に計画を立てておられた方です。  住職引退が52歳、寺のことは後継住職に任されて、それからは、もっと 人間について見つめてみたいと考えておられたようです。  希望では、50歳で引退される予定でしたが、2年遅れました。  いつの間にか目標年齢を過ぎてしまった。そして、昨今では、後七年は 生きていたい、できれば十四年は生きていたいと希望しておられるようで す。  無理はしないようになされているようです。「これからが花の咲く時期 にさしかかるのかもしれない」とも言っておられます。  昨年は体重が74kgありましたが、一年で12kg減量されて、摂生 されています。  昨年のこの頃に比較して随分とお元気になられました。悪いところがど こもありません。  食事は肉食を避けられる傾向が強くなり、カロリーの摂取量や動物性蛋 白の摂取量が少なくなりました。  お仕事は多忙になり、昨年インターネットを始められて、メールの返事 を書かれるのが大変なことになりました。多い日は1日500通もの返事 を書かれていました。  当然、ご自分で全部の返事を書かれることは無理になり、全面的に代筆 になりました。  でも返事の大半は口述で要旨を話され、それを田川さんや私など職員た ち全員がまとめて返します。      誤解を生んだ代筆の返事メール          業務用には発信人を明確にする ■インターネットは総理大臣も観音院も私も他の職員も完全に一対一で、 完全に平等です。観音院のホームページは法主さんの「遊び心」で作成さ れたものです。  かつ、大勢の方々が手伝っていただいて構成されています。  端末は寺に16台、メンテナンスをする必要がありますので、職員の自 宅にも全部設置してあります。ボランティアまで入れると百名くらいにな るかもしれません。 ▼ところで、困った誤解が生じて来ました。普通は私たち職員が要点を話 し、ご意向を伺って、その趣旨にそって手紙の返事を書きます。観音院に は、今までに法主さんの書かれた膨大な量の手紙や原稿が蓄積してデータ として保存してあります。もちろん、個人のお名前などは丁寧に削除して あります。これによって個人秘が漏洩(ろうえい)するようなことはあり ません。  さまざまな悩み事などが分類されていて、それに対する法主さんの考え られた対応が資料になっていて、参考にできるように整理されています。  簡単に言えば「文章様式例」とも言うべき性格のものです。  同じ質問に対しては、一々法主さんの時間をとるわけにもいきませんの で、文例をコピーして返事を出していました。  新しい問題、今までに無かった事例はもちろん法主さんに聞いて文章を 作成していました。  これに本来は代筆と入れるべきだったと悔やんでいます。  インターネットの手紙(メール)は返信のボタンを押すだけで、容易に 来た手紙を引用しながら返事を書くことができます。  言い訳になりますが、大きな会社などから達筆で書かれた案内状や手紙 が来ることがあります。あれって社長さんの名前で書いてあっても、秘書 か文書係のお仕事ですね。  これが世の中の常識です。しかし、インターネットは簡単に質問が来ま す。それに容易に返信ができる、いつの間にかバーチャルな人間関係がで きているような、錯覚が生まれて来ます。  法主さんの署名は「鈴之僧正(すずのそうじょう)」ですが、「鈴さん」 になり、最近では「すぅさん」が一人歩きしてキャラクターができあがり ました。  ボランティアが「すぅさん」になりすまして、「文章様式例」を借用し て、ご自分の意見も入れて返信されると混乱が生じます。 ▼とどのつまりは、「性格の優しい鈴さん」や「公序良俗に厳格な鈴さん」 など、いろいろな性格の「鈴さん」が出来てしまったのです。これは大変 なことです。 ▼そこで、根本的な解決として、文書は、法主さま専用のパソコンで、実 際には殆ど触られることはないのですが、隔離しました。 ▼インターネットに関して「鈴テキスト」は隔離して、参考文献として私 どもで管理します。     法主さんと皆さんの関係は          会って声を聞いてに限定します ■インターネットについては、法主さんは直接にメールを書かれるとした ら1行か2行で済む範囲内です。後は全て公文書として扱います。住職さ んもメールを書かれることは絶対にありません。 ▼しかし、これらはインターネットの揺籃期に発生した過渡期の問題で、 他面ではインターネットは観音院には大変に役に立ちました。  ホームページは著名で日本のみならず外国までも知られて、アクセスも 多く、新聞やテレビでも再三報じられて、観音院を大きく前進させました。 ▼法主さんとの人間関係は実在の法主さんに限定して、会って、話を聞い て、そして良く確かめて良い人間関係を熟成して下さい。     法主さんは新聞もテレビも殆ど見られない          縁の無い情報と縁のある情報で選ばれる ■昔から観音院は新聞やテレビに再三紹介されるお寺です。  マスコミに登場することは、当事者として、あまり気持ちの良いもので はありません。  しかし、この半年の報道は凄まじいものでした。それも先端技術を駆使 したお寺のインターネットを中心としたものです。 ■本当は大般若転読百座法要と護摩三万三千座を執行したことの方が余程 大きな報道価値のあることなのですが、マスコミには佛教についての知識 がありません。これを報道するには大般若の「いろは」から勉強しなくて はなりません。  最近の若い人はマスコミの人も含めて勉強はお好きでありません。 パソコンに触ったことも無い人がインターネット最先端の寺院を取材され るのは業務命令とは言え大変だっただろうと思います。  もう一つの理由は、先の法要は、参列された方ならご承知ですが、人で 一杯で、マスコミに対応するような余裕は誰にもありません。  案内を出せば来られますが、カメラ一台が入る余裕もありません。あの ような混雑は十分に予想できたので、知らせなかったのです。  それでも、参列して下さった方は予想の5割増しで、当日は遠路参詣し て下さった方々に大変に失礼なことになってしまいました。  しかし、用意したお供物などは法主さんの指示通りで、過不足なく、と ても不思議に思いました。  ご自身に関することは正確な予測を立てておられるようです。  直ぐに持ち上がったのが観音院の立て替え計画です。本堂の面積を今の 四倍にすればという案です。  法主さんは、設備は日常に合わせて適切であれば良い、それで無くても 間口が広がっているのに、あれも、これもと必要に応じて建物を建てたり、 乗物を購入して行けば、街の一つも作らねばならない、飛行場まで作るの かと、極力押さえておられます。  あまり大きく成り過ぎると、それでなくても皆さんとの距離が遠く成り つつあるのに、これ以上距離が開くのは御免だ。「私は一代で大をなすほ どの器(うつわ)では無い。今、現在ですら大きく成り過ぎたと後悔する ことがある」と言っておられます。  沢山の人に囲まれてどうあるかより、来られた一人の方にどうあるかの 方が大切に思える。人材も育っていない。願うように接待もできていない。 第三者が外から見て、観音院は大きくなったと思われるよりは、一人の人 が観音院をどのように受け取って下さるかが大切な課題だと言われます。  押せ押せの発想は、かけらもありません。法主さんは皆さんのことを誰 よりも良く知っておられて、何時も皆さんのことを心配しておられるよう です。  新聞もテレビも見られないというのは嫌いだからではありません。 時間がないのです。観音院が出ているテレビの録画テープを沢山いただき ましたが、観音院のことは私が一番よく知っていると見向きもされません。 暇がないのです。  何方かが法主さんと直接に話がされたくなって電話を掛けてこられると します。  観音院のデータベースには約七万人の方が登録されています。加えて、 新聞などで話したい人も出てきます。そのような思いつきで電話をされる 人が一万人に一人おられるとしたら、実際はそれ以上になりますね。  法主さんは最初は腕が痺れるので電話機を軽くされました。腱鞘炎にな りそうで、交換手さんと同じように頭に掛ける電話になされました。  法主さんは電話の対応は丁寧な方だと思います。ですが、1日に電話が 10本や20本ではすみません。  住職さんも同じですが、気の毒なのは食事中の電話です。夕方の会議中 も困惑します。集まっている人が電話の済むまで静かにして待つことにな ります。で、会議中は電話を掛けなおしてもらうことになりました。  電話は入浴中も掛かって来ます。間違い電話も一日平均二十本はありま しょうか。  082−232−8251ですが、23*−8251と間違えられるこ ともあります。間違え電話を粗略にすることはできません。それは同じよ うに、観音院に似た間違い電話が掛けられている可能性があるからです。  皆さんの家にも間違い電話が掛かることがあると思いますが、同じよう に余所にも間違い電話が掛けられている筈です。     電話で死にかけたこともある          風呂の中からトイレにも設置  昔はですね、観音院の法主さんも住職さんも、風呂にもトイレにも電話 が設置してありました。  そのような場所で電話をとることは非常識なことですが、あったのです、 法主さんが茹で上がりそうなこともです。現在は1か所に2台平均も置い てあります。  本当に睡眠時間を削られるように電話も掛かってきます。申し訳ないこ とだけど、話し中に寝息が聞こえてきたと言われる笑い話も信徒さんから 聞いたことが再三あります。仕方がありません。  「死にたい」というような電話には、こちらが安心できるまでは、話を 聞いてあげることになります。  死にたいというような電話は絶対に粗末にはできません。茶碗が割れた ら、法主さんに電話がしたくなる人もあります。  これは決して特定の人のことを話しているのではありません。だって茶 碗は瀬戸物屋さんが商売が成り立つほどに割れるものです。  茶碗が割れたり、淋しくなって電話をしてこられても結構です。ですが、 本当にたくさんの電話が掛かってくることも知っていて下されば有り難い ことです。  もう十年以上も昔になりますが、法主さんが電話の最中に気絶されて、 救急病院にお連れしたら、何のこともなく、睡眠不足と過労ですと言われ たこともあります。  何かで、即時に助言が必要でない場合、用件を言って下されば、必ず用 件を取り次いで、助言を聞いて上げます。場合によっては法主さんや住職 さんから電話を掛けなおして下さるようになっています。  インターネットよりは、電話の方が的確で、誤解も起きません。  法主さんをデータベースと誤解されないように、生きた人間としてお会 いされるなら素晴らしい出会いになるとお勧めします。 大般若転読百座法要執行、御同慶(ごどうけい)に存知ます。こ れから先も真面目に拝み続けて参りたいと願います。そのためには、 皆さんのご協力とご支援が不可欠です。ご一緒に御佛(みほとけ) 様の恩徳を盛り上げて参りたいものです。 法主さんと仲良くなられると、人生が充実します。私たち職員は そのお手伝いをさせていただきます。何卒、物事を手紙やインター ネットのメールで済まさず、来られるなり、電話なり、近づく努力 をお願いします。 生涯に一人の人を救えれば、それで僧侶の本分は叶えられます。 私たちは沢山の信徒さんをつくろうとは、絶対に考えてはならない と教育されています。一人の人を救えないで、多くの人のお役には たてないのです。 手紙やメールで、人柄を理解することは困難です。できれば、お 会いになられて、話を聞かれて、そこから、受け止めて、法主さん や住職さんの人柄を直観的に把握して下さるなら、もっと、もっと お役に立てますよ。

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